novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N
□『Love so sweet』
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「早いな」
この声を、こうして機械越しじゃなくて。
直に聞くのも、一年振り。
相変わらずドキドキする。
それすらも一年振り。
「俺の方が、早いって思ったのに」
負け惜しみを口にすると。
炎山は、照れ笑いを浮かべながら、前髪を掻き上げて。
「たまたま今日から3日間、オフになったからな」
「休みにした、の間違いじゃないのか?」
悪徳副社長、と意地悪を飛ばした。
そしたら、「そうだな」と、やけにすんなり受け止めて。
立ち尽くしていた俺の傍まで近づくと。
さりげなく右掌で頬を包み込む。
輪郭を確認するみたいに、横髪に埋まる指先が蠢く。
まるで、あやされてるみたいに。
それが擽ったくて。
でも、嬉しくて。
重なる温もりに、頬擦りで答える。
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