novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N
□『Love so sweet』
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そうして辿り着いた場所には。
すでに先客の後ろ姿が見て取れて。
それは、わざとらしいまでに打ち鳴らしていた足音に。
宙を舞う羽毛の様に、しなやかにゆっくりと。
見慣れたはずのスカイブルーの瞳が振り返る。
「…あ、」
切れ切れな呼吸の下で。
名前を呼び掛けて、驚嘆だけが先行して漏れた。
治まらない荒い呼気に、呑まれていったのは。
募り募った、一年分の…
ワダカマリとかモドカシサとか、ヤルセナサとか。
吐き出すタイミングを失っていた、ワガママに。
行き場を失っていた悪態や、素直の裏返し表現ばかり。
どれだけ自分が貪欲で、汚い心根の持ち主か思い知らされる。
だって。
何時帰れるか予定(めど)のない、超長期遠征で。
アメロッパを基点に、主に諸外国を飛び回ってる。
ニホンにもやって来るが。
それもほんの数日間。
しかも、仕事に缶詰にされて。
この両瞳で、直に姿を見るのは。
一年振りなのだ。
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