novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『Love so sweet』
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《来年の今日、この時間、この場所で。

          待ってるから…》


  ‡‡‡‡‡‡‡‡

逸る気持ちを押さえ切れず、ひた走る。

途中何度か躓きかけて、転びそうにもなりながら。

『危ないから、ちょっと落ち着きなよ』

心配するロックマンの声なんて。
聞こえないフリで、無視無視。

どうせバレてるけど。

だってさ。
今日は約束の日。

待ち合わせの場所はもう目と鼻の先。

時間には、余裕を持ってやって来た。
…いや、少し早過ぎたかも。

遅刻するよりかはマシだよな。
と、自分にとって都合の良い言い訳をする。

たまには、待ち伏せしてみるのもいーかな?
なんてイタズラ心もあったり。

初めて逢うみたいな。
新鮮な感覚だったり。

久しぶりを装った、はにかみだったり。

照れ臭さとか、気恥ずかしさとか。
ごった煮状態でそこに存在してる。

そんな、心地良い緊張感。

例え、遠距離で分かたれようとも。
例え、生活スタイルが擦れ違ってようとも。

そんな脆く崩れる気持ちで、好きになったんじゃないから。

そんな簡単(ハンパ)に切れる想いは、紡いじゃいないから。

だから、一秒でも早く。

早く、早く。
逢いたいから。

目的地目指して。
力の限り、駆けて行くんだ。

‡‡‡‡‡‡‡‡
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