novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『優しい音階』
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スッと、炎山の右手が熱斗の頬を包んだ。

「お前の方が可愛い」

そう言うなり、綺麗なブラウンの髪を撫でて、滅多に見せない笑顔を向けた。

そのレア度たるや、大吉の出る確率よりは高いと思われるが。
それでも、よっぽどでない限り、見る事は叶わない。

「…バ、バーカ」

何を言い出すかと思えば…
熱斗は、子供をあやすみたいな優しく乗っかった手を。
振り払う様に、慌てて床に飛び降りた。

顔が真っ赤なのを隠す為でもあるが。
そんなものは言わずとも、気付いている炎山だったりする。
のを、当人ダケは気付いてない。
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