novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『メトロノーム』
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…きっと、”救い”なんて存在しないのだから。


カチカチカチカチ…


薄れていく。
現実の鼓動の狭間。

遠く、遠く…離れていく。

把握する間もなく、閉じられた瞼の下で。

微かに残っていた触感が得た温もりは。
誰のモノだったのだろうか?

消え入る意識の底で、届いた声は。
誰のモノだったのだろうか?

あぁ…ヤバイ。
もう、何も考えれない…



一つきりの吐息を最後に。
呑まれ行く混濁に身を委ねながら。

そこでプツリ、と意識は途絶えた。


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