novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『白雨』
4ページ/7ページ


「こう言うシチュエーションも、俺はなかなかに好きだがな?」

「雨宿りが?変なヤツー」

反対に、アハハ、笑い返してやったら。
炎山が、スッと傍に寄って来て。

さりげなく、あくまでさりげなく。
俺の肩を、抱き寄せた。

見えない雨粒で、すっかり冷えた肩に温もりが重なる。

思わず、ドキリ、鼓動が跳ねた。

「だって、一番近くに居られるだろ?」

キザな台詞を平然と降らせて。
必殺スマイルで一撃。

「…そー言うコトに、しといてやるよ」

単なる負け惜しみだけど。

ユウウツな雨模様が、ちょっとダケ、好きになれそうな気がしたから。

炎山の背中に回した腕で、背中の裾を握り締める。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ