novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『Father's Day』
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まぁ、いい。
とりあえずは、熱斗の話に乗ってやろう。

俺は優しいからな。

なんて、自分で言うとかなり胡散臭いが。
と、苦笑い。

熱斗は、そんな俺の本心を知る術はなく。
話を聞いて貰えるのを、素直に喜んで、笑顔を咲き誇らせた。

「うちは毎年、手作りなんだ!」
「で、今回は何を作るつもりだ?」

「えっと…作文、とか?似顔絵、とか?」

おい。
何で疑問系で、俺に聞く?
しかも、作文だとか似顔絵だとかって…

それに、作文のタイトルが『僕のお父さん』って、何だ?!

「幼稚園児か、お前は?」
「そ、そんなの、何でもいいじゃんかよ!!」

顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに抵抗を示す。

「だって…っっ?!」

何かを言い掛けて、それを両掌で塞ぎ、口を噤んだ。
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