novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N
□『Friends or Lovers』
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友達の”好き”と、恋人の”好き”。
それは、性質が異なる同一種な根源の感情に過ぎず。
同性に対するモノ。
異性に対するモノ。
家族に対するモノ。
いろいろ枝別れして存在する。
その中でも、友達と恋人との境目を見定めるのは難しい…
友達と恋人と、決めようとするから、こじれるのかな…
(炎山のコト、こんなに”好き”なのに…)
浮かんでは消える、不確かな甘言。
一口に”好き”とは言えど。
その意味は、まだ俺の中で確固たる形を成さない。
姿形にならない感情の名前が、言葉に出来ない。
もどかしいやら、腹立たしいやら。
悔しいやら。
不透明で、不確かで。
手にしようとすれば、擦り抜けてしまう。
陽炎の様に、揺らいでいる。
でも、この感覚は、友達に対してじゃない。
それだけは、何となく分かる。
(これが恋、なのかな?)
…うん。
きっと、そうなんだ。
未だ明確じゃない感情の位置付けだけど。
この芽生えは、大切にしていきたい…
そう、思うんだ。
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