novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『結葉』
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その時点でオカシイと気付いていれば…!

横向きの熱斗を、仰向けにして。
枕代わりのクッションを、頭に宛てがう。
息苦しくない様にと、上着の首元の釦を2個程外した。

途端に、大きく息を吐いて。
薄く開いた口から、呼吸を始めた。

「…う、あ?」

「目が覚めたか?」

薄ぼんやりと俺を見つめる熱斗の瞳は、どこか虚ろで。
俺を捕らえてはいるが、何も見えてはいない。
そんな印象を受けた。

「…頭、痛い」

上がり花な熱に、頭痛、と来たら。

「風邪だな」

俺は、確信を呟き。
横たわる熱斗の前髪を、優しく撫で上げる。
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