novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『結葉』
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それから、何時間もそのままの状態が続いて。
仕事も何とか切り上がったので、俺は帰る準備をしながら、今だ眠る熱斗の肩を揺すった。

「おい。起きろ」

「…んー」

気怠そうに唸るだけで、一向に目を開ける様子はない。

「熱斗…?」

さすがの俺も、この異変に胸が騒ついて。
熱斗の額のバンダナを外し、掌を押し当てて見た。

「熱があるじゃないか?!」

いつから?
と、聞かなくても思い当たる節ならあった。
昨日からだ。

いつもなら、機関銃の様に喋りまくるヤツが、言葉数も少なく。
ただ、「眠い」とだけ言って、始終静かだった。
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