novel『ロックマンエグゼ』vol.2長編
□『追憶の中の君へ』-2
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「…で、用事は済んだのか?」
不意に蘇った音声に「あぁ」と曖昧に答える。
「だったらいいんだが。運転手が心配してたから」
「ああ!!忘れてた!!」
「大丈夫。伊集院家の使用人は皆優秀だ」
辛抱強いけど心配性なんだ、と炎山が笑うから。
俺もつられて笑った。
「すぐ行くよ」
「慌てなくてもいいんだぞ?」
「ううん。もう、帰る」
「そうか。なら転ぶなよ」
幼児を心配する物言いに「子供みたいに扱うな!!」と、通信の切れたPETに向かって憤慨する俺。
『熱斗くんはよく転ぶから』
と、ロックマンのフォローにならないフォローを受けて。俺は正門前に急いだ。
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