novel『ロックマンエグゼ』vol.2長編
□『追憶の中の君へ』-2
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廊下で数人の大人と擦れ違い、俺は外へ出た。
「いい天気だなぁ〜」
室内の清浄された循環する空気よりも、外界の酸素密度は美味しく感じた。
環境汚染だの何だの言われてる昨今だが、やはり自然の風は何物にも変え難い。
新鮮な空気を肺に吸い込んで、吐き出す。
すると、一本の大きな樹が視界に入った。
「でっけぇー!」
見上げても頂上は見えない。
数十メートルはあろうかと言う大樹。
『銀杏の樹だよ、熱斗くん』
フフッとロックマンが笑った気がして、俺はPETを手にした。
と、同時に。
ピリリリリ、ピリリリリ。
小刻みに鳴る電子音。
『熱斗くん。炎山から電話だよ』
と、言われて焦った。