novel『ロックマンエグゼ』vol.2長編
□『追憶の中の君へ』-2
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「熱斗!」
俺が昨日家出してから、”パパ”は一晩でずいぶんやつれてしまった…様に思う。
俺は何も言えず、入口で固まっていたら。
「少し落ち着いたかな?」
と、近づき、頭を優しく撫でてくれた。
「炎山くんは熱斗の力になってくれてるんだね。会ったらお礼を言わなくちゃ」
前半の方は、どこか寂しそうに妬いてる感じで。
後半の方は、感謝が篭っていた。
全体的には複雑なのがよく分かって。
「そうだね」
と、俺は答えた。
「今日は家に帰って来てくれるのかな?」
そう言われて、俺は息が詰まった。
でも、(伝えなきゃ)と勇気を出して、深呼吸の後、口を開く。
「…んと。しばらく炎山のトコに居たい、んだけど…」
落胆っぷりが心臓に悪いけど。
それでも”パパ”は、
「分かった。迷惑にならない様にするんだよ」
意外にあっさりと認めてくれて。
俺の方がビックリした。