novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『逆梅雨』
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8月も後半。

やっと真夏日から開放されて、ようやく過ごしやすい季節に突入!!
…かと思いきや。

台風やら低気圧の影響やらが続き。
毎日毎時間がジメジメジトジト。

数日前までは、欝陶しいぐらいジリジリ焦がしてくれた、灼熱の太陽も。
流れ出る滝の様な汗さえ、瞬時に蒸発してしまいそうな、カラッと熱気も。
喉咽を焼きそうな程の、呼吸困難な熱風も。

真夏の形相はどこへやら?

やたらベタベタ、肌に纏わり付く湿気。
やけにイライラ、募る不快指数。

すっきりしない空は、分厚い灰褐色の雲のベールを纏って。
どんよりした重たい沈黙で、地上に垂れ込める。

各地では、大雨による被害も頻発している。
と、報道が気忙しく伝えるのを、横目で掠める。

テレビから流れる映像は、切羽詰まる内容ばかりで。
滅入っている気分が、更に深く落ち込む。

まるで、世界の端っこに置いてきぼりを喰らってるみたいに。
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