novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『Romeo』
1ページ/9ページ


夜明けが近い事を知らせる静けさは、やけに耳に痛く感じる。

真夜中の街に、ひしめき合う雑音。

高層ビルの谷間をせわしなく行き交う、留まる事を知らないライトの波。

ただ無情に。
ただ時間を持て余しているかの様相は。
時折、無意味に思えてならない。

この波群の終着点は、存在するのだろうか…?

ドコに?
何に向かって?

そんな事を考えてる俺自体が無意味だ、と気付いて。
自嘲気味に微笑(わら)うと、溜息と共にブラインドを降ろした。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ