novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『Father's Day』
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《6月の第二日曜日は父の日
お父さんに日頃の感謝を込めて…》





「炎山、父の日って知ってる?」
「…は?」

また唐突な…と、いつもみたいに呆れ返るトコロだったが。
熱斗の様子が、いつもとは、ソワソワしてると言うか。
何か、ドコか、微妙に違っていた。

「だから、父の日!」
「一応、知ってるが…」

そういう行事はビジネスに欠かせないから。
あくまで、一応、名前だけは記憶している程度だが。

自分の父親に、そう言うコトをしてやるつもりは毛頭ないから、特に興味はない。

「で、それがどうしたんだ?」
「な?だから、炎山も何かしよう!」

何が、「な?だから」の部分に繋がるのか、よく理解出来ないのだがな…
頭が痛いぞ、俺としては。

本当に、熱斗は会話の組み立てが下手だ、と再認識してしまう。

「ホラ!俺もパパにあげるモノ、考えなきゃいけないからさ」

何やら必死に説得する熱斗は、非常に愛らしい。
だが、そんな事に惑わされない。

俺は怪訝な表情で、冷ややかな視線を送る。
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