短編

□抑止力
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「カカシ先生。」




「ねぇ、もうその先生って辞めない?」




「先生は先生ですよ。」




「だってもう君上忍になって何年経つのさ。」




「…3年ですけど。」




「ほら、いつまでもその呼び方だと困るんだよね。」




「なんで困るんですか?サクラ達も先生って呼んでますよね?」




「んー君は困るんだよ。」



そう言って笑うと、ななしは腕を組んで何故なのかを難しそうな顔で考えている。




「よくわからないですね。」












まだわからなくていい。




俺のこの気持ちは自分の中だけに留めておきたい。




表情を見て答える気のない事がわかったのか、ななしは早々に考えるのを止めた。






「あっそうじゃなくて、ちょっと屈んでください。」




「ん?」



はいと返事をしながら素直に屈むとななしはぐっと顔を近づけてきた。




「えっなに??」




柄にもなく焦って身体を引くと両手で顔を包まれた。




小声で動かないでと言われてフリーズする。




俺の心臓はバクバクと煩い。






「取れた。」




手が離れホッとしているとななしはふわふわした羽を指で摘んで俺に見せてきた。




髪に付いてましたよとにこりと笑う姿に再び鼓動が高鳴る。






重症だ。




いつからだろうか彼女を意識し出したのは。




いつからだろうかこんなにも彼女を好きになってしまったのは。








俺は動揺を悟られない様にいつものへらりとした笑顔でお礼を言うと、ポンっとななしの頭に手を乗せる。




「カカシ先生!私もう子供じゃないんですよ。」




「あーごめんごめん。」




ホント、子供にみれなくなって困ってるんだよね。









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