□青白い頬に朱が差す
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「誰かに、見つけて欲しかったんです」

「何を」

「私を」





















小さく 少女はそう呟いた。

そして微笑んだ やわらかく 優しく

青白い頬がほんのり赤く染まった。




「だから、グリムジョーが私を見つけてくれたとき 本当に嬉しかった」

「はっ…別に見つけたく見つけちまった訳じゃねぇよ、通り掛かったのは偶然だ」

「でもこの世に偶然なんてあるんですか?全ては必然、私はそう思いたいです」

「この世は偶然で成り立ってんだよ」




そう吐き捨てるように呟くと

グリムジョーは窓の外に出て行ってしまった。




「…グリムジョー!」

「……」

「また…会いに来てくれますか?」




返事はなかった ただグリムジョーの後ろ姿を見送った

それでも また会えるような気した。

必ず会える、と


空には延々広がる闇と それを照らす大きな月が

何もかもを見透かしているように私を見下し笑っていた。
















運命のなかに偶然はない。

人間はある運命に出会う以前に 自分がそれを作っているのだ。
   

by.ウィルソン



















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いつものヒロインの生前のお話。

実は現世にいたときから既に出会っているのです。











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