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□そんな貴方が愛しくて
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家に帰ったら俺はすぐさま風呂に入り、溜まってしまった自分の欲を全てはき出した。


そう、貴方の事を思いながら。



俺はこんなにも貴方に溺れ、欲に満ちてしまっている。


こんな俺を知った貴方はいったい俺のことをどう思うだろうか・・・。






次の日、何時もの様に俺は早く起きて部活の朝練に行った。

貴方に会うために。


前に俺は向日さんとダブルスを組むことになり、それから毎朝二人でダブルス練習をしている。


朝練は7時からやると決めているが、俺は何時も6時45分には部室にいる。


あの人は何時も7時過ぎくらいに来る。多分今日もそうだろう。


そう思った俺は部室でゆっくりしていた。



ーガチャッ!ー


勢い良く開けられた扉に目を向けると、そこにはまだ来るはずのない向日さんの姿が・・・


俺の見間違いかと思い、何度か瞬きしてみるが目の前の景色は変わらない。



「へへっ!俺が早く来たからって、お前驚きすぎだろ!」


ニコニコ笑いながら俺に近寄ってくる貴方は何時もよりさらに可愛くて・・・


「別に驚いたりなんてしてませんよ。それより、どうして今日はこんなに早く来たんですか?」


「ん?ああ、何時も日吉より遅く来てるからたまには日吉より早く来たいなーって思ってさ」


どうして急にそんなことを・・・


「別に何時もと同じ時間でいいのに・・・。」


「俺は嫌なんだって!日吉に迷惑かけたくねぇし!!・・・それに空いた時間に日吉と話せるしな!(ニコッ」


顔を近づけてきて、こんなことを大声で言うなんて・・・





可愛い過ぎる





「向日さん、すみません」


「へ?って、うおぁっ!?」



俺はついに我慢の限界になってしまい、とうとう向日さんを近くにあったソファに押し倒してしまった。


向日さんは驚きからか、抵抗しない所か口をあんぐりとあけ、目をパチパチさせている。


当たり前か・・・男が男を組敷くなんてどうかしてる。


それ以前に男が男を好きだなんて気持ち悪いだろう。

向日さんに今俺の思っていることを全て言ってしまおうか・・・

でも、嫌われてしまうかもしれない。今までの関係に戻れないかもしれない、それでも俺は欲には勝てなかった。



「あんた、可愛すぎるんですよ。しかも無防備すぎる。」


「はぁ?!俺が可愛い?!何言ってんだ?!」


「本当のことです。」


「お前今日おかし・・・っん!!」


これ以上喋らせない為に俺は向日さんの綺麗なピンク色をした唇に吸い付くように口付けをした。



「っ・・・は、ぁ・・・ん」


キスをする度に唇から漏れる声に興奮する。


どうしてこの人はこんなに可愛いんだろう・・・


俺がどんな思いでいるかも知らずにこんなに可愛い反応をされては制御がきくかどうか分からない。


俺はどんどん口付けを深くしていく。



「ぅ、っ・・・ひ、よしぃ・・・くるし・・・っ」


その一言に俺ははっとし、向日さんから急いで離れる。


「・・・?ひ、よし?」


首を傾けながらそう言う貴方は本当に可愛らしくて、本当に愛しいと思った。
今すぐにでも襲ってしまいたいくらいだ。


「こんなことされて嫌でしたよね・・・すみません。頭を冷やしてきます・・・」


今襲ってはいけない、こんな大事な時期にパートナーと仲が悪くなってしまっては大会に支障がでる。


向日さんに謝った後、部室を出ようとした。



「まっ、待てよ!!その・・・よ、キスするって事は俺のこと好きって訳じゃねぇの??違うのか・・・?」


今にも泣き出しそうな顔をしながら向日さんが俺の腕を掴んできた。


こんな事をされてしまっては期待してしまう。



「そうだったら、どうしますか?」


俺はあくまでも冷静に答えた。



「俺は・・・っ、お前の事が好きだっ!信じてもらえねぇかも知らねぇけど、本当にずっと前からっ・・・!」


顔を真っ赤にし、涙目になりながらそういう貴方に俺はどうしようも無い気持ちになった。



ーギュッー


「ひ・・・よし・・・?」


「一回しかいいませんよ、いいですか?」


「お、おう!」



「好きだ、どうしようもないくらい。
俺だってずっと前から好きだったんだ。もう離さない・・・」


夢にまで見ていたことがおき、混乱して上手く思考が回らないが何とか言いたかった事は伝えられた。


俺だけの一方通行だと思っていたのに・・・



「日吉・・・・!俺、今までの中で今が一番幸せかもしんねぇ・・・」


「クスッ・・・そうですか。俺もそうかもしれません。」


「それにしても・・・どうして急に・・・その、キッ、キスなんてしたんだ??」


「それは貴方が可愛すぎるからに決まってるでしょう。」


「なっ・・!だから何で俺が可愛いんだ!こんなに男らしくしてるのに!」


「可愛いものは可愛いんですから仕方ないでしょう?」


「うーっ。。・・・あ!あのさあのさ!日吉はすっげーカッコイイぜ?(ニコ」


「・・・!そりゃあどうも・・・」


驚きと嬉しさから一瞬表情が緩みそうになった、危ない。


「へへっ♪嬉しいだろ〜?!俺だってカッコいいって言われてぇんだからな??」


「貴方がカッコイイって言われるなんて一生無理ですね。」


「!!そんなハッキリ言うなんて酷ぇ!!」


「フッ・・・なんとでも。」


「くっ・・・クソクソ!ヒヨッ子のくせして生意気だぞ!」


「そういう事を言う子にはお仕置きが必要ですね・・・」


「へっ・・・?っておまっ!!何してっ!!」


「見ての通り腹を触ってます。」


「それは見りゃ分かる!だから何しようとしてんだよ!」


「言わせようとするなんて性格悪いですね・・・まあ本当に分かってないみたいなので言いますよ?・・・ヤろうとしてるんですよ。」


「やる??やるって何をだ??」


「それも分からないとは・・・良いですよ。体で教えてあげます。」


「ひゃっっ!!!日吉っ!!やめ・・・っ」


「止めませんよ、散々お預け食らってんですから。」




本当に可愛い貴方、一生俺の傍に居てくれますか?


愛しい貴方へ、俺はずっと貴方を愛し続けると思います。


貴方も俺のことを愛してください。














END。

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