Under

□どうしても
1ページ/3ページ

「白石ぃー!途中まで一緒に帰らん?」



「あ、ああ、いいで?」



「よっしゃ!なら話ながら帰ろうな?」



「話ながら帰るんは当たり前やろ(笑」





そんな他愛もない会話をしながら一緒に帰っているのは
白石蔵ノ介と忍足謙也だ。

謙也は氷帝の忍足と情報交換などをしているせいもあってか、
裏情報などを沢山知っている。

白石はそんなことを知ってか知らずか、
毎日のように謙也と一緒に帰っている。

いや、正しくは一緒に帰らないといけない情況と言ったところだろうか。


前に一度、急いで帰らないといけないときがあり、
謙也に帰ろうと言われたのを断ったら、酷い目にあったのでもう二度と断らないと決めたのだ。

今思い出すと本当にあの謙也はなんだったんだろうと思う・・・























部活に行く前の教室




「白石ー!今日一緒に帰らへん?」


「悪い!今急いでんねん!また明日な!」


「え・・・一緒に帰ってくれへんの・・・?」


「だから急いでるから無理なんやって!家の都合が悪いんやから仕方ないやろ?」



「・・・・・ちょい来て」




その言葉と同時に白石はおもいっきり腕を引っ張られた。


「ちょっ・・・何や?!急いでる言うたやろ?!話は手短にな?」





そんな白石の言葉を聞かず、謙也は普段誰も使わない空き教室に白石を連れて行った。

カチャッ・・・その音に白石は気づかなかった。





ーダンッー


白石はいつの間にか近くの壁に叩きつけられていた。




「ぐ・・・っ、何や、っ謙也・・・」


「白石がいけないんやで・・・?俺の誘いを断ったんやから・・・」




そう言う謙也の表情はどこか危ない雰囲気があり、白石は自分の身の危険を感じた。




「やめっ・・!離せや!!」


白石は抵抗してみたがあっけなく腕を押さえつけられてしまった。




「俺に何するつもりや・・・」



「何って、お仕置きに気まっとるやろ」



笑いながら言うところがさらに恐怖心を煽り、白石の表情は恐怖に怯えていた。




「そんな怯えんでも、白石の行動しだいでやることは変わるんやから頑張ってみ?」



「俺の行動で変わる・・・?!何をすればいいんや?!俺に出来る事なら何でもやってやるわ!」



「本当に何でもやってくれるんやな?!じゃあどんなことでも何も言わずにやるんやで?」



「ああ、やる」



「じゃあ・・・今日は帰らずに俺が帰るまでここにいること!」



「は?自分何言うてるん?」



「出来ない言うんか?なら酷い事されてもいいん?」



ニコニコしていた謙也の顔が一瞬で恐ろしい顔になった。
出来ないと言ったら何をされるかも分からない、素直にいう事を聞くしか方法はない・・・



「い、いや!出来ないわけないやろ?!家に連絡すればきっと大丈夫や!」



「そうか(ニコ じゃあ早う連絡し?」



「あ、ああ・・・」




白石はポケットから携帯を出すと、
家へ今日はどうしても早く帰れないとだけ連絡をした。



「これでええんやろ?」



「ああ、上出来や(ニコ」




いつもの謙也の表情に戻っていた為、白石は安堵からか、いつのまにか微笑んでいた。






「じゃあ次は・・・・」


次は何を言われて、何をする・・・?






「俺のもんになりぃ?」






は?この男は一体何を言っている?

俺のもんになれ、だと?




「何で俺がそんな事っ・・・!」




「無理言うんか?そんなこと言ってみぃ、白石に酷いことするで・・・?」




「酷いことってどんなことか言ってみぃ!」





「自分ホンマにそんなこと聞いて後悔せんの?後悔しないんやったら言うけど?(妖笑」




謙也のその表情には今までとまったく違う、見るものを魅了するような何かがあった。




「後悔はせんから言うて」




覚悟をした。何の覚悟かは分からない。
ただ、これを聞いたら後戻り出来ない、そんな気がした。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ