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□甘い君
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眠い・・・だるい・・・。



何でこんなに学校って面倒くさいんじゃ。



何か面白いことはないんかのう・・・。



俺はいつものように授業をサボり、屋上へ来ていた。



本当に毎日がつまらない。



ただ・・・唯一の楽しみが一つあるんじゃ。



それは・・・




「仁王!」



「ブン太!?」



「やっぱり、ここに居たか。」



「何でお前さんがここに・・・。」




「何をそんなに驚いてんだ?もうとっくに昼休みだろぃ?」



気づかんかった。
もうそんな時間か。



ブン太の事考えて半日おわってしもた・・・。



「で、ブンちゃんは俺に何の用で?」



「その呼び方はやめろぃ!!」



「ええじゃろ((笑 ・・・で?」



「・・・は?」



「は?じゃのうて、俺に何の用じゃ?」



「ああ、別に用なんてねぇよ、ただ仁王と一緒に昼飯食べようと思ってな。」(ニコ




ああ、可愛え。
何て可愛えことを言うんじゃ。



そんな下心を隠し、俺はブン太に近づく。



「クスッ、ブンちゃん、俺の事好きになっちゃったかの?」



顔を覗きこみながらそんなことを言うと、「ちげーよ!」と言われ、殴られそうになった。




「つれないのう・・・。」



「どっちが!」



「何?俺ブンちゃんに何かつれないことした?」



「お前っ・・・!もういい!知んねぇ!!」




ブン太が何のことで怒ってしまったのかまったく分からん。



一体俺が何をしたっちゅうんじゃ・・・。




「ブン太。」



「・・・何。」



「ん、やる。」




俺は機嫌を損ねてそっぽを向いてしまったブン太に
朝、姉貴に無理やり渡されてポケットに入れたままだったグリーンアップル味の飴を差し出した。




「これ・・・貰ってもいいのか?」



目を輝かせながら聞いてくるブン太に俺は噴き出しそうになったが
そんなことをしてはまた機嫌を損ねてしまうと思い、堪えた。




「ああ、ブン太にやる。」



「!仁王サンキュー!!ありがとな!!」(微笑



飴を舐めながらそういうお前さんは本当に可愛えと思った。



そんな思いからつい、ブン太の頬を触ってしまった。




「ん?仁王、俺の頬に何かついてんのか?」



ヤバイ・・・急いで手を引っ込めたがこればかりは誤魔化せん。
しかも、どういう言い訳をするか考えておらん。





「んー?いや、何もついとらんよ。」



「じゃあ何で触ったりしたんだ?」





不思議そうに見てくるブン太に悪戯をしたいと思ったんじゃが





「んー、ブンちゃんが可愛えから?」





本心を言ってみとうなった。
これを冗談と思ってくれるだろうか・・・。
そう思ってくれればこの危機的状況を回避出来る。




恐る恐るブン太の顔を見てみると・・・





怒った表情だが少し動揺の色も見える。
何より、顔が真っ赤だ。



「からかうのもいい加減にしろぃ!」





胸蔵を掴まれたが、俺より身長が無い為、服を上に引っ張られただけじゃった。




ブン太を困らせるのははっきり言って楽しい。
じゃが、俺は賭けをしてみとうなってきたから、一か八か、勝負に出てみた。




「からかってなどおらんよ、さっきから本当の事だけを言っとる。信じてもらえんか?」



「なっ・・・詐欺師にいきなりそんなこと言われても信じられるわけねぇだろぃ?」



「ハァ・・・そうじゃの。じゃが、ブン太なら信じてくれる思うとったのに・・・。」





さあ、ブン太は何て言うかのう・・・?




「お、俺だって信じてぇよ・・・。でも、仁王は俺の事可愛いだなんて一度も・・・」




意外な答えが返ってきたのう・・・まあいい、まだ賭けは終わっとらん。




「じゃから今まで照れくさくて言わんかっただけで、今言っとる。それじゃ駄目か・・・?」



「・・・じゃあ仁王を信じるぜ。本当に嘘言ってねぇよな?」



「ああ、嘘は言っとらんよ。」



「よし!じゃあ信じるけどよ・・・その・・・ちょっと寝ていいか;?」



「は?」



「だから・・・寝ていいか?」



「いや、言っとることは分かるんじゃけど、急に何じゃ。」



「いやー、安心したら急に眠くなってきてよ。」



「昼はどうするん?」



「あー。。後でいいや。じゃあ仁王の膝借りるぜぃ☆」



「え?!ちょっ、ブン太?!」




・・・俺の許可なしに寝おった。
まったくお前さんは・・・。



それにしても、ブン太が昼も食べずに寝るとは珍しいの。
それに俺の膝を膝枕にするとか、ブン太の寝顔とか、滅多に見れんし(ニヤニヤ



「んー。。」



そんなことを言いながらブン太がもぞもぞ動いた。
あー可愛え。何じゃこの可愛え生き物は。
昼飯よりもこっちのが食いたいんじゃけど。



そんなことを思いつつ、ブン太の髪を撫でながら顔を近づけると、ほんのりと甘い香りがした。



(「ん?この匂いは・・・」)




さっき俺があげたグリーンアップルの匂いだ。


自分で舐めると甘すぎて舐めていられんのじゃが、ブン太が舐めるといい匂いじゃと思う。



いつもこんなに甘い匂いのするお前さんを食べたら、どれほど甘いんじゃろうな・・・



「ブン太・・・」



俺はそう言いながら、今だ夢の中のブン太の額に口付けを落とした。





その時もやっぱり甘い匂いがして・・・








可愛えブン太、誰の物にもならんでくれよ?



俺の物になるまでは・・・














END。



仁王とブン太で仁王視点です^^;
仁王の一方通行の想いのように見えますが、ブン太も仁王のこと想ってます。
なので、ブン太視点で今度書けたら書こうかなーと思います^^*
多分ブン太視点が出来たら番外編とかも作るかも(ぇ
何かコレシリーズに出来そう((笑


リク、感想等御座いましたらBBSへ書き込みお願いします*

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