Under

□年の差
1ページ/2ページ

また貴方は誕生日が来た。


同じ年でいられたのもたった数ヶ月。


この縮まりそうで縮まらない年の差に
俺は何時も苦しめられている。




来年になれば貴方は高校へ行っていて
俺は中学校にいるだろう。


そんな時間がもどかしい。
いつでも一緒にいたいのに。




「あー、先輩。俺、何か今日は
先輩とずっと二人でいたいんすけど。」


「は?光お前急にどうしたん?」


「今日はそういう気分なんすよ。」


「俺は別に授業サボっても大丈夫やけど
お前は大丈夫なん?」


「大丈夫っすよ。それに一日授業をサボったくらいで変わりませんって。」


「そ、そうか?ならええんやけど・・・」


「じゃあ今日はちゃんと一日俺に付き合って下さいよ?」


「おお、ええよ。」



俺は謙也先輩と二人で近くにあった空き地へ行った。


いや、それ以前に学校をサボってしまった。


親に見つかったら何と言われるか・・・。


まあ、親に怒られるとしても今は先輩と一緒にいられると思えば気が楽だ。




「はぁー、いい天気やなぁー。」


「そうっすね・・・。」


「光。」


「何すか?」


「お前何か悩みでもあるんか?俺で良かったら相談に乗るけど・・・」


?!表情に出ていたのか・・・?!
先輩の前でみっともない所を見せてしまった・・・


「い、いや。悩みなんてないっすよ?なんで先輩は心配しなくても大丈夫っす!」


「嘘いい!ずっと暗い顔してんで?な?言ってみ?」


「・・・はぁー。先輩には敵わないっすわぁ。じゃあ言いますけど、笑わんで下さいね?」


「笑うわけないやろ!言ってみぃ?」


「・・・俺は先輩と離れるのが嫌なんすよ。

一年も学校が離れるなんてやってらんねぇっすわ・・・。」


「・・・やっと言ってくれたか。それを言ってくれるのをずっと待っとったんやで?」


「え?何で・・・」


「俺だけがそう思っとったのかと思ってずっと不安でな、やから言ってくれるのをずっと待っとったんや。」


「なら先輩も俺と同じ思いっちゅうことっすか・・・?」


「ああ、そういうことや。」


「俺、マジ嬉しいっすわ・・・
先輩、大好きっすよ!」


「なっ!///お前、急に何や!///
しかもはにかんで笑うなんて反則やっ!!///」


「フッ・・・先輩の照れて真っ赤になった顔も反則っすよ・・?」


「そういう事言うなや!!///」


「耳まで真っ赤にして、可愛えっすね、先輩(ニヤ」


「なっ!!お前、そんな目で俺の事見んなや!!」


「そんな目言うてもどんな目か分かりませんわ。」


「しかも近寄んなや!!」


「無理っすわ。先輩可愛えんで触らせてもらわな気が済みませんわ。」


そう言い、俺は先輩の真っ赤になってしまった耳を触った。



「ちょっ・・・やめぇ光!」


「俺に触られるん嫌やって言うんなら触りませんけど?」


「うっ・・・嫌っちゅうわけやないんやけど・・・」


「ならええやないっすか」


「何でや!!!」



ーバシッ!ー


「っ、ちょっ・・・!先輩酷いっすわー・・・。」

「そうか。」


「Σ酷っ;」


「何でや(笑 乗りツッコミしただけやろ(笑」


「いや、そこじゃなくて・・その後の{そうか}が酷いって言ったんすよ・・・。」


「どこが酷いんや!当然の事を言ったまでや!」


「えぇ;ホンマ先輩酷いっすわー・・。」


「そうかそうか!なら近寄んなや!」



やばい・・・先輩の機嫌は完璧に最悪だ・・・


宥めるにはああするしか・・・



「近寄らないなんて無理な頼みっすね。」


「え?!」


次の瞬間、俺は先輩を思いっきり引き寄せ、もう何も喋れないようにした。



「?!んんんーーーー!!!!」


暴れる先輩はお構い無しに、俺はどんどん先輩に酔っていく。


この人は酒の様に俺をどんどん魅了していく。

この人無しでは多分俺は生きられない。



「っ・・・!光、ふざけるのも大概にし・・・


「ふざけてなんかないっすよ、俺は最初から大真面目です。」


「?!」


「疑ってはります?まぁそれはしゃーない事っすわ。
でも俺はずっと先輩を大事にしてきたつもりなんすよ?!
それなのに離れ離れになって、先輩が他の人を好きになったりしたら・・・俺・・・」


「アホ、お前以外の奴を好きになったりなんかするわけないっちゅうねん。それとも他の奴を好きになってほしいんか?」


「なっ!そんな事思うわけないじゃないっすか!」


「やろ?やから俺は一年お前のこと待っといてやる、やからお前も他の奴好きになったりするんじゃないんやで?」


「そんなことあるわけないっすから!」


「そうやな(笑 じゃあ一年は長いけど待っとるで(ニコ」


「はい、待っとって下さい・・・必ず行きますから・・・」










END。
あとがき→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ