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□迷い路
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いつから
そこにいるのか。

気が付けば

また同じ場所をぐるぐると歩き回って、

真直ぐに進みたくても
いくつもの壁が邪魔をする。

ひとつ道を間違えば
出口はますます遠くなる。




近くにいるように感じても
本当はとても遠くにいて。

気配を感じないと思っても
実は声が聞こえるほど近くにいたり。

近いようで、

遠い存在。

いつになったら
会えるのかな。

本当の

貴方に。



入口は
別々だった。

歩き出した時間も、

前に進むスピードも。

それぞれがきまぐれで、

障害物にも苦労した。


でも、

入口は違っても

出口は―――

目指す場所は同じだと
信じているから。


互いの位置を
見失わないように、

ゆっくりと

確実に歩みを進める。


いつか必ず

出会える事を信じて。




「…ねぇ、ネジには好きな人っているの?」

触れたくても

「何だ急に」

近くにいても

「いるんでしょ」

本当の気持ちは

「…お前はどうなんだ」

まだ―――

「……私は…、」

分からないまま。



時間をかけて
ゆっくりと

確かめる。


互いの位置を。





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