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□おもちゃの国
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「大した任務ではないと思うんだが…まぁ、念の為だ」


そう言われ、なんともいえない表情で立つ忍が二人。
ネジとテンテンは既に上忍と中忍の身。
今、里の長から言い渡された任務はCランクのレベルだ。

「ある村から直々の任務依頼だ。手頃な者が居なくてな。
お前達に行ってもらう事にした」


任務の内容は、
毎夜、どこからともなく聞こえてくる、無気味な音の正体を突き止めてほしいというもの。
そんなもの、そこら辺の下忍でもできそうな任務だ。

二人は長期任務から帰ってきたばかり。
折角の非番を、こんなよく分からない任務の為に潰されたくはない。


しかし、二人のそんな思いは
綱手に届く事はなかった。


「じゃぁ、頼んだよ」

「「…了解」」


さすがに火影直々の任務命令では断ることもできない。
それに、他に適当な忍がいないのだ。

「仕方ないな」

「そうね。早く終わらせちゃいましょ」

二言三言言葉を交わし、二人は夕日に染まる木の葉の里を後にした。



綱手によると、
目的の村は木の葉からそう遠くない場所にあるという。
それならますます自分達には簡単過ぎる任務になると思ったが、
そんな事は、今更考えても無駄な事だ。



里を出て一時間も経たない内に、二人は目的地に到着した。

村長と呼ばれる男は年配で、人の良さそうな顔つきをしている。

「…毎晩不安でなりません。
あなた方だけが頼りなのです」

そんなに深刻なのかと思いながらも、
そこまで言われるとやってやろうと思えてくるのが人間というもの。

問題の“音”というのは、
村外れにある森から聞こえてくるという。
村人の中には、その森で、得体の知れない生き物を見た者もいるとか。


「とりあえず、その問題の森に行ってみます」

「よろしくお願いします」



―――もう日は沈んで
軒先の明かりがうっすらと灯り始めた。

子ども達は遊ぶ事に夢中で、周りが暗くなった事に気が付いていない様子だ。





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