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□一方通行
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「そういえば、砂の人達が里に来てるの知ってた?」


午前中の修業と称した軽いウォーミングアップを終えて一休みしている時だった。


「いや、知らなかった」
「我愛羅君も来てるんですか?」
「ううん。今回はカンクロウさんが何人かでチーム組んで来てるんだって」
「詳しいな」
「うん。昨日任務終わってたまたま会ったの」


リーは休憩中にも関わらず、隣でせっせと腕立て伏せをしている。
テンテンは腰から下げていたポーチからクナイを出して研き始めた。


「それで流れで一緒にご飯してきたんだけど、」
「2人で?」
「まさかー。ガイ先生もいたからいつものとこで皆でよ」


「先生に奢ってもらった」と話す彼女に「それはよかったな」と返す。


役職が上がると、自然と里外部での任務が増える。
友好関係にある他里の忍とも会うことが多く、その中でも砂隠れとは頻繁に任務を行っていた。つい先日もガイ班として砂へ遠征したばかりだった。


「いつまでいるんだ?」
「明後日戻るみたいよ。実はこれから待ち合わせなの」
「そうなんですか?」
「この前の遠征の報告書、必要書類が欠けてたらしくて持ってきてくれたんだって」
「先生は?」
「朝から8班と任務。5日は掛かるっていうから私が代わりに預かることになったのよ」


遠征任務から1週間は経とうとしているのに書類の欠落とは。自分なら何度も確認して提出するのに。
火影様も火影様で確認が甘過ぎる。


「2人も来る?」
「僕は夕方から任務なので今回は」
「そっか。ネジは?」
「いや、よろしく言っておいてくれ」
「そう。2人にも挨拶しておきたいって言ってたけど、まあ明後日までいるならどこかで会うかもね」


挨拶なんて。つい1週間前に会ったばかりだというのに。社交辞令もいいところだ。


「ネジ、何怒ってるんです?」
「怒ってない」
「そうですか?」


テンテンは社交的だからこういったイレギュラーな出来事にはいつも子どものような目をする。
今日は任務が無いからと、集合を掛けたのは彼女だった。


「では、午後の修業再開です!ネジ、手合わせお願いします!」
「……いいだろう。任務前に挑んだこと、後悔するなよ」
「え?それは、どういう、」


斯く言う自分も夜から任務なのだ。慣らしておかないと怪我をする。そう言うと、「やっぱり怒ってますね」と間合いを取られた。長くチームを組んでいるだけはある。正しい判断だ。





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