その他夢

□夏侯惇と于禁
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黄昏の時分には、神威の自室に二人は招かれ、開け放されたバルコニーに続く扉からの風を楽しみ酒を酌み交わす。











「我らは長生きしてせいぜい三百年。あの方の考える全てには到底追い付けない。神威様は圧政より導いてくださった、未来永劫唯一の皇帝にして、母であらせられるお方です。そんな神威様が、お二人をと申されるのであれば、我らは命をとして付き従います」
なんと。于禁は驚いた。
「私の家は曾祖父の代より皇帝陛下のお側に居ります。あの方の目指したこの和平を、少しでも長く維持するのが我ら貴族達の役目にございます。どうぞ、その役目にお力をお貸しくださいませ于禁様…」








「アイアンメイデン(鉄の処女)、お早う」
「お早うございます神威様」
「ケイト、今朝の帝都の情報を」
「はい。本日は終日晴れの予報、降水確率は十パーセントにございます。市街地からの報告は特にありません。それから、扉はどこも異常はありません。港の扉も問題ございません。謁見の予定を申し上げても?」
「うん。お願い」
「では、十時よりウィンザー家リオ公爵、十一時よりケルスト家フィオレン伯爵、十三時より帝都議会三役人との小会議、十五時より漁港組合のアストロネ殿、つづいて医師会メノア博士になります」
「ありがとう。…どうしましたか、夏侯惇殿」
「逃げるなよ」
「に、逃げませんよ嫌だなあ」
「お願いしますね陛下。そうでないと夏侯惇様の刃の雫になってしまいますから」
恐ろしいことをクスクス笑って伝える垂れ目の女性。
「あら、于禁様。お初にお目にかかります。私はアイアンメイデン艦長ケイト・ブランシェットと申します。ケイトとお呼びくださいませね」






「アシュリー殿は…」
「アシュリーで結構です。于禁様」
「ならば、私も。文則と…」
于禁はアシュリーのその細く白い手をとった。
「私はこう言った事は不得手でな。…」
「」
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