Novel 1st

□息抜き
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おまけ

「あれ」
「どうかしましたか?」

受け取った原稿を見つめながら、佐藤さんが声をもらす。

「この話、主人公とヒロインは二度と会えない悲恋、でしたよね?」
「そうですね」
「最後、再会してますね」

二度と会えないと悟って、雨の中で涙を流した二人が。
この薄い紙面の中では、確かに笑っていた。

「気が変わったんです。…やっぱりおかしいですか?」
「いいえ、…僕はこの方が好きですよ。浅見先生らしいじゃないですか。」


桜が咲いていた。
その花弁はふわりふわりと中を舞い、一枚、また一枚と薄い桃色の絨毯を広げていく。
手を広げて花弁を追うと、小さな小さな一枚はその手の中に舞い降りた。
そしてふと、少年は並木道の奥に目を向ける。
暖かくて柔らかい陽射しが降り注ぎ、そよ風が顔を撫でる。
目に鮮やかな桃色と緑色と、真っ青な空に囲まれた道の向こうに、
あの時
一緒に泣いた君がいた。

「誰だって、好きな人とは一緒にいたいと思うでしょう?」

そう言って、文彦はにっこりと微笑んだ。


後書き

まさかミシェ文がこんなに書きづらいとは思わなかった!!
難産にも程がある…
途中からなにがなんだかわからないことに…!
毎度毎度ごめんなさいすいません。
佐藤さん出版社勤めにしてごめんなさい。
乱文失礼しました!

20080408
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