軍人篇

□保護-大佐と少尉
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「大丈夫だったか?」

「うん、君は?」

「俺も大丈夫だ」


揺れが収まると2人は立ち上がった
お互い怪我をしていない事を確認すると、一安心する


「一体何が起きたんだろうね」


あれ程大きな地震は起きた事がない


「あいつら、大丈夫かなぁ」

「……」


あいつら、が誰を指すかはフレイにも分かった

大きな地震だったのだ
無事でいて欲しいと願う


「なぁ、フレイ。あれって…」

「さっきの地震でこれが出来たのか…」


ふとルクスが前を見ると校舎とグラウンドを隔てるように大きな亀裂が入っていた


「そうだ、他の人たちは?」


グラウンドを見回しても、自分たち以外見当たらない


「おーい、カイリ!」


ルクスが亀裂の向こう側にカイリを見つけた


「先輩!」


ルクスの声に気付いたのか、カイリと女生徒がが亀裂の近くまで寄ってくる


「お前ら、大丈夫だったか?」

「大丈夫! 先輩も大丈夫?」

「ああ、俺たちも平気だ」


お互いの無事を確認する
カイリ達に怪我が無いと分かり安心する

しかし、その瞬間に余震が起きた


「外にいるのも危険だか
ら、建物の中にいた方がいいよ。あ、でも寮の方が人がいるかも」

「つー訳で、お前らは寮へ行け」


また地震が起きるかもしれない
そんな状況で外にいるのは危険だ

フレイの提案をルクスがカイリに伝える


「分かった! 行こう」

「うん。あの! 先輩方も気をつけて下さい!」


カイリと女生徒が校内の方へ戻る

それを見届けるとルクスはフレイを見た


「フレイ、俺たちも行こうぜ」

「そうだね。あ、でも」

「ん?」


何かを思い出したようにフレイは言った
ルクスは首を傾げる


「こっち側からだと女子寮しか行けないよ?」

「あ゛……。と、とにかく行ってみようぜ」


男子寮があるのは校舎側
綺麗に分断されているこの状況では、男子寮に行く事は難しい
だが、今はそんな事を言っている場合ではない


「…大丈夫かな」

「……」


フレイは不安そうに呟くが、ルクスは言い返せなかった





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