□恋する僕ら
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「……そうだけど、俺達は仲間じゃん」
「仲間…?仲間って?」
「ん…いや。別にいいけどさ」
「………」
それからレオナは普通に八神と接して、K'とも普通に接した。
「やっぱり俺…好きなのかな…」
「何がだ?」
「うわっ」
K'の無意識な独り言に庵が反応して、K'は驚く。
「もっ…もちろん八神がだよっ?!」
「そうか。ありがとうな」
「…ん。…………でも八神はさ、バカ薙が好きなんだよな?」
「バカを言うな。誰があんな奴を好きになるか」
「じゃあ俺が好き…?」
「俺は皆平等に好きだぞ」
「ふーん…」(……八神の嘘つき…)
見れば誰だってわかる。
庵は京が好きなのだ。K'とも抱き合うのは庵の残酷すぎる程の優しさのためだった。
現にK'は何度も庵を誘ったが、未だに庵から誘われたことは一度もない。
それでも、わかっていてもK'は庵を誘い続ける。
どうしようもなく庵が好きだから…
しかし最近K'には気になる事がある。
それはレオナの悲しげな顔だ。
きっと京や庵にはわからない。
同じ悲しみを抱いているからこそ、K'にだけわかるのだ。