:連載

□蜂蜜色ラプソディー
1ページ/4ページ

此処はいたって普通の並盛町にある、いたって普通のマンション、コーポ並盛。

しいて特殊と言うならば家賃は安いのに部屋がやけに豪華というところだけ。



けれども、最も特殊なコトが、ひとつ。



ここに住む住人は、みんなマフィアなのだ。







蜂蜜色ラプソディー・1
(出会い・お世話・これから)





「バジル、お早よう」

「リボーン殿、お早うございます!」

朝から掃除にいそしむバジルを横目で見つつ、ホットコーヒーを飲む。
いつもどおりの、朝。
仕事がない限り暇なものだ。リボーンは思う。



「あ、リボーン殿。親方様が先程いらしてリボーン殿を呼んでました」

「……わかった」

最近は自分にだけ仕事が入らなかった。きっと大口の話だろう。
この間の様に敵マフィアの線滅だろうか?
はたまた、価値あるものの輸送だろうか。
いつぞやの、太ったマダムの話相手だけはもうごめんだ。



コンコンッ


「俺だ。」


「リボーンだな?入ってくれ」


声がして、ドアを開ける。


「座ってくれ。実は、大きな話をもってきた。」

口元からにやりとしてしまう。
やはりな。自分の考えに間違えはなかった。


「それで?どんな用件だ?体もなまってるし、暴れられる事なら大歓迎だぞ?」


「いや、実はこれがにゃんこの世話なんだな。おーいツナー入れー」

「ちょ、にゃんこって!?!?」



チリン。



「ん、にゃ」


リボーンの非難の声を遮って出てきた、それは。

耳としっぽが生え、恥じらっているのか扉から体半分しか出ていない蜂蜜色のそれは。




恐ろしく可愛かった。




「いくらだっ!!」

「いやっ金かよ!しかも鼻血出てるし!」

「これは鼻血じゃない!青春の汗だ!!そしていくらだ!!」

「だから金に物言わすなよ!青春の汗とやらもドバドバ出てるって!ツナも怯えてるからね!?」

家光に食って掛からん勢いだったリボーンは、そこでようやく蜂蜜色のその生き物が家光の後ろでぷるぷる震えているのに気が付いた。

そしてぷるぷるしている姿もなんとも愛らしい。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ