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□学園パロ以外
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「見て、旦那。」
「ん?」
「花が、咲いたぞ、うん。」
そこにあったのは、小さな鉢植えのシンビジウム。
咲くことなく朽ちてゆくと思っていたこの花が、遂に花をつけたらしい。
「綺麗だな、うん。」
「よかったな。」
「旦那、花は嫌いかい?」
「ああ。」
弱弱しくて、他人の力を借りずに咲き誇ることのできない存在。
「けど、オイラは花、好きだぞ。
すぐに枯れちまうから…ずっと見てなきゃなんねぇトコがな。」
「一瞬の芸術…ってヤツか。」
「ま、旦那にはわかんねぇだろうけどな。」
「わかりたくもねぇな。」
その真白い花弁も、来週にはなくなっていることだろう。
「シンビジウム。花言葉は…」
飾らない心。素朴。