華鬼(long)  漆黒の華

□過去の約束
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婚礼の儀が終わり私と、私の『鬼』はその晩初めて手を握った



数日がたち

はじめて二人で出掛けた

数週間がたち

心が触れ合った

数か月がたち

互いの体の温かさを知った




私はそれで満たされていた


幸せだった



起きたらそこに『彼』がいた



それで


よかったのに




「私達、これからも一緒にいられる?」

「ああ、嫌がっても俺がついてまわる」

「…ふっ」



笑って、彼は私の頭を撫でた



その数日後


『妖』は私の世界から消えた
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