9月拍手文
「スマイル0円/1」
現代パロディ/セバス夢
「ほわー」
『メイリン、メイリン!』
「Σはっ!な、何ですだか?」
『またボーッとしてたよ?ペン止まってる』
「ああっ本当ですだー!」
『もう…課題終わんないよぉ…』
ため息をついてペンを置くと、皿に乗ったパイを一口頬張った。サクサクとしている生地の中にトロリとしたリンゴジャムが入っていてとても美味しい。
最近メイリンとここへ来てはよく注文する、私のお気に入り!財布の経済状況なんて気にならないんだから←
とは言うものの、このお店へ来た本当の目的“学校の課題を終わらせる"はなかなか進まず…私は手際が悪いしメイリンは様子がおかしい。ボーッとしてるかと思えば、急に顔を真っ赤にしたり。どうしちゃったの
『…あ』
気付けばパイに力を加えていたようで、ジャムがはみ出て手をべとつかせている。人のこと言えてないー!
あわてて席を立つ。向かおうとする方向には、長身の男がこちらに歩いてきていた。
「遅れて申し訳ございません。ご注文のお飲み物をお持ちしました」
『あ、わざわざありがとうございます。そこに置いといて下さいっ』
「どこ行くですだ?」
『ちょっと手洗ってくる!』
「了解…Σああっ貴方は…!」
メイリンが後ろで黄色い声を上げた。何やら言葉にならないような奇声?が聞こえてくる…ああ、また変になってる。どうしたっていうの
背中に一つの視線が注がれているのに気づかないまま、私は化粧室へ駆けていった。
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