ミニ2

□Trick or...
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「―さて、ここからが本題です」


『ん?え?』



吸血鬼…もとい執事さんは私の肩に掴みかかるなり一言。




「Trick or Treat.」


『はい?』


「何かくれなきゃイタズラしますよ?」




悪戯に舌を出して彼は言う。

だけど、何だか



目がマジです。



例えるなら今にも食べられそうな感、じ?




『ち、ちょっと待って下さい!お菓子あげま─』


「いけません。」


『へ?』


「今の私はあくまで吸血鬼。人間の食べるものなど食べません」


『(役になりきってる)…じゃあ何を食べるんですか』


「そんなもの決まってます。

《人間の血》です」


『そうですね、吸血鬼といえば血…って血をくれと!?』


「いいえ?まさかそんなえぐいことを本当にするとでも?」


『いえそんな!したらしたで怖いです』


「(クスッ)至極空腹な吸血鬼には…


清らかな娘が一番じゃないですか」


『むす、め?』


「はい。娘です」




紅茶色の瞳が三日月に細められ、口は弧を描き歪む。

顔は目と鼻の先で、黒髪は頬をくすぐった。




「貴女をもらってもよろしいですよね?」


『Σは、何言ってるんですか!』


「何故です?とても魅惑的で美味しそうですよ」


『煮て焼いて食べても美味しくないですよ!逆に不味い…ひゃ!』




スルッと首元に巻かれたスカーフがほどかれ、白い首に柔らかな唇が滑り

上り詰めた挙げ句、リップノイズが赤く染まった耳に落とされる。

もうこれ以上はないほどに赤く色付く彼女を吸血鬼は下から覗き込んだ。




「同じ怪物と謳われる者同士、仲良くしましょう?魔女さん」


『や、やっ』


「あ、でも今はただの女性ですか。まぁ仮装だったにせよ元は立派な魔女ですし‥いただきます」


『いや―――っ!!』








…そんなこんなでハロウィン。


メイドさんは魔女に


セバスチャンはカボ執事←からオールバックな吸血鬼さんに仮装して


楽しく過ごしました(味わわれました?)

おしまい☆
10/5〜
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