Orphan
□妄想マジクリ
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静かな病室で独り言のように漏らす
「大袈裟にしなくてってどういうことよ?」
碧い目に見詰められ、マジクはちょっとドキドキしてかえす。このドキドキが恐怖かなんなのかははっきりしないが。
「クリーオウはこれが今生の別れなんて考えてないだろ?」
「もちろんよ!オーフェンはまだ私達がいないと!」
「うん、僕もそう思う。でもまず体を万全にしないとね。」
「私はもう大丈夫よ。」にっと笑うクリーオウ。
「そういうとこ、昔は全面的に信頼してたよ。でもそれでもダメなことあったじゃないか。」
「う、マジクのくせに生意気ね。」
「聖域でクリーオウが死ぬんじゃないかって、すごい不安だったよ。必死だった。・・・・あの時のこと覚えてる?」
クリーオウの顔が赤くなる。
「膝蹴りをくらったわ」
ぷいとそっぽを向く。耳が赤い。
「冗談じゃないよ。」横を向いたクリーオウを見詰める。
「言ったろ?必死だったって。」
「マジク。」
振り向いたクリーオウと視線が交わる。
「クリーオウは?」
まっすぐに問われて困惑した。なんて返せばいいのか。
「私は、・・・私にとってマジクは・・・」
何だろう、考えたこともなかった。ただの仲間?違う?・・・特別な感情なんてない。・・・筈だ。いつも私の攻撃を受けて、逃げ惑うマジクが脳裏に浮かんだ。
でも。マジクは私をいつも助ける。私は・・・・。
かなりの間が空いてしまったらしい。
マジクが口火を切った。
「そんなに悩まれるってことはいいんだか、悪いんだか。」
まぁいいや。これでクリーオウもちょっとは僕のこと気にしてくれるだろ?と胸中で付け足す。
「返事待ってる。」
と言うとマジクはゆっくり病室からでていく。ドアを閉める時にちらっと視線を投げて。
あいつ・・・いつの間にあんなかっこよくなったのかしら・・・
しばらくぼけっと考えて、ハッとする。
ってカッコイイってなにを思ってんだか!あのマジクよ?!ヘタレの。
・・・でもそれだけじゃない・・・・でも!でも!
結局一日中悶々と考え続けることに。
続くかも!