Orphan

□妄想オーコギ
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アーバンラマに到着して、探したのは、まず彼女だった。
他に知り合いもいないし、彼女の家はアーバンラマでもそれなりに知られた資産家なので、計画にもちょうどよい。
だが久しぶりの再会になんといえばいいのか、オーフェンはそればかり考えていた。

・・・トトカンタをコギーがさる時はかなり気楽に別れたから、再会も・・・というわけにいかないのは、・・・俺がかわったってことなんだろうな。トトカンタにいた、まだ人を殺したことのない俺と、人を殺してここにいる俺。コギーは違いに気づくだろうか?
気づいたら彼女はどんな目で俺を見るかな。

それを考えていたら、なかなか捜索が進まなかった。

ま、コギーの場合案外気楽に声をかけてそのままってこともあるが・・。意外に聡いとこあるかんな、無能のくせに。

心中で毒づいて、アーバンラマをあてもなくふらつく。
と、広い街道の途中、「オーフェン!?」一年前に聞き慣れた声が雑踏の中、聞こえた。
「オーフェン!!」声をかけながら駆け寄ってきたのは、紛れも無い、コギーその人だった。
「コギー!」見慣れた制服でなく、白のブラウスとエメラルドグリーンのスカートという格好に、少しだけ、戸惑いつつも名前を呼ぶ。

「オーフェン!本当にオーフェン!?すっごい久しぶりじゃない!というかなんでここに?なんか廃れてない?私てっきり野垂れ死にしてるかと思ってたわよ?私がいないとご飯ろくに食べれなくて。」
「やかましいわ!久しぶりに会ったつーのにそんなことしか言えんのか!お前は!」
一喝してオーフェンはふと力なく微笑んだ。
なんにも変わらないじゃないか。少なくともそういう風にこいつは振る舞ってくれる。

「なによ、笑ったりして?私に会えたのがそんなに嬉しい?」
「あぁ、これで食料に困らないですむと思うと、今すぐ抱きしめたいぐらいだ。」
あんた変わってないわね〜今だに金欠なわけ?いい加減働きなさいよね。」
「ぐだぐだ言わんで飯食わせんと本当に抱き着くぜ?もうふらふらなんだよ。あちこち金欠で旅してな。」
「・・・それは抱き着くってより、おんぶしろってことよね。まぁ、ここで倒れても困るし、ご飯ぐらい食べさせてあげるけど。もうすぐ昼だし、ここからうちすぐよ」
「助かる」

・・・なんにも考えなくてよかったんだな、しばらくゆっくり過ごそう。コギーと。




オーフェンたら、私が声をかけるまで険しい顔してたくせに、会った途端顔緩んじゃって、かわいいったら。一年何してたのか聞かないでおいたげるから、今度はちゃんと一緒にいてよね。と思ってるコギーでした。

END
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