Orphan

□オーフェンお題小説!
2ページ/6ページ

1.震えた声
(せいいっぱいの虚勢)


「私、アーバンラマに行くの。」

そう伝えた時、自分の声がこんなにか細くなったのに驚いた。


なんで?

顔に出さないで歯噛みする。


彼がそのことに気がついた様子がなく、ホッとする。
お互い顔を直視はしていない。俯くというほどではないが。

でも…なんとなくいつもと違う?

てっきり喜ぶと思ったのに。



彼が言う。


「そうか」

たった一言。


俺の前からは好きな女ほどいなくなるんだな。


声が震えそうなのでそれは伝えることができないまま。


それでも一言呟いた。


「まぁ。そのうちまた会うだろ。お前みたいなやつ…目立つし」
震えそうだったからごまかして。

「あんたに言われたくないわよ!指名手配されたら捕まえに行くからね!その時は連絡ちょうだいb」


「お前な…」
半目で呻いた。

お互いその時には顔を上げて、

「またな」
「またね」

と言い合って離れた。



さよならはいらない。
(言えない)

END
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ