小話

□友達
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携帯電話を見ると、メールが4件来ていた。

早速、件名をチェック。

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【出逢ってみませんか】

【本当に困ってます】

「……全部要らん」

一人で呟いて、全てを削除する。

最近手に入れた文明人の証『携帯電話』だけれど、もう手放せなくなってしまった。

欲しい情報は、インターネットに接続すれば、大体何でも手に入る。

宿題攻略の際に分からない単語が出てきたら、辞書機能で一発。漢字変換も、計算も出来る。

暇になったら信頼できる友達と、他愛もない内容のメール。

というか、携帯電話の醍醐味はそこにあるんだと私は思う。

「早月にメールでもするかな」

新規メール作成画面を開き、そして本文を打つ。

《暇です》

数分すると。

《私も多忙だが暇。》

彼女は頭が良い。それは多分、勉強を頑張っているからなのだろう。多忙なのもそこから来ているに違いない。

《何かネタある?》

《小説の?》

というのも、私はホームページを運営している。今時流行りの『夢小説』サイトってやつだ。

原作者様応援サイトの一種である、夢小説サイト。抵抗がある人もいるけれど、私はそうは思わない。

私自身が素晴らしいと思った作品の、讃歌であるとは思っているけど。

《うん。短編書くから》

《じゃあ、文月君と夢主の友情モノ希望》

《あいよ》

こんな感じで、私の一日は進行していく。


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