小話
□必要
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疲れる。
他人と行動を合わせることを選ぶならば、自分はいっそ目を閉じることを選択する。
自分と他人が、違っていることなんて、鏡を見る必要もなく、解る。
それなのに何故、合わせなければならないのか。
こんなことを言う自分を、世間は『変だ』と言う。
どうして、周りを尺度にして考えなければならないのだろう。
自分は、自分でしか、無いと言うのに。
この疑問の答えが、教科書に載っている訳でも無く、そしてまた、誰かが知っていると断言するつもりも無い。
けれど、『周りがこうしている』から、『自分もこうする』のは、おかしいと思う。
……こんなことを考えているから、教室の端に追いやられているのだということは、熟知している。