小話
□REC...
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秋の半ば。
俺の近くで横になってた奴らの大半は、上から眩しい光が射し込むと同時に、居なくなった。
残っているのは、俺と、その他には白髪白眼の少女だ。彼女は何時も上ばかりを見ていた。
気になって尋ねると、彼女はこう答えた。新しい世界が見たいから、と。
何が待ち受けているかという考え方が、不安に結び付くような性格ではなかったらしい。
俺とはまるで、考え方が違う。
俺は彼女を、変な奴だと思った。口には出さなかったけれど。
暫くすると、白髪の彼女は、期待の眼差しで光の中に消えていった。
……今から俺は、本当に、一人だ。