小話
□REC...
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思い起こせば、少し前の出来事がきっかけで、今の俺がある。
気付いたら、少しの満腹感と雑音の中で、俺は横たわっていた。
どうやって自分自身が生まれて来たのかを、俺は知らない。けれど、此処にいるのだから、俺は過去に、生まれるという行為を経験しているんだろう。
ごくたまに、天井の黒い空間の隙間から、光が射し込む。
余りにも眩しくて、目を閉じる。でも、気になる。
少しだけ目を開けてみると、光に照らされて、周りが見えた。
俺と同じように、色々な風体の奴らが、俺の周りにいた。
立つもの、座るもの、寝転がるもの。
細いもの、太いもの。
色鮮やかなもの、俺のように質素なもの。
頭脳派のもの、走るのが得意なもの。
とにかく、ありとあらゆる奴らが、いた。