小話
□中学高校駄文集
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【一人の勇気が地球を救う】
近年、世界中で、環境問題について、様々な論議が展開されている。
そんな中、ただの中学生である私にも、地球を守る事が出来るのかもしれない、と思い、自分なりに考えてみた。
まずは、世界が抱える環境問題について。
古代の人々が思いもしないような素晴らしい発見や発明によって、私達は多くの富と便利さを得て生活しているが、その代償となるモノもたくさんある。
火力発電の需要増加や、自動車・船・航空機などの使用による、大気中の温室効果ガスの増加。
目には見えない変化だが、それによって、宇宙に逃げていくはずの熱が地球に居座り続け、世界中の気温は現在進行形で上昇中だ。
その他にも、大気汚染物質の排出による酸性雨の被害や、オゾン層破壊による紫外線の影響など、絶対に見過ごせない問題は本当にたくさんある。
そんな中、土地の砂漠化や海面上昇、生態系の変化などの、『地球からのメッセージ』に呼応して、動き始めた人々もいる。
コレは日本だけでなく、世界中で言える事だが、環境を考えた「省エネ」家電や自動車の開発は、地球の未来の為の大きな前進だろう。
それに触発されたのか、今では日本中の家庭で、週に一度くらいは、節電・節水という言葉を聞く事が出来るだろう。
それだけ、地球の未来に対する人々の考えは、深いモノとなっているのだ。
それだけではなく、リユース・リデュース・リサイクルの3つのRを意識したり、無駄にモノを買わない、など、家計の為にもなりそうな動きも見られる。
節約は、自分の為にもなるので、実行する家庭も少なくはないだろう。
私達が出来る事は、そんなに多くはないかもしれない。
世界的な人口爆発によって、木材の需要は高くなる一方だ。
植樹の量よりも、伐採の量の方が、遙かに多い事は想像がつく。
しかも、植物は、植えてから時間が経たないと成長しない。
二酸化炭素を大量に消費できるような木が育つまでに、一体何十年掛かるのだろう。
それでも、植えるのと植えないのとでは、成果は大きく違う。
木までは無理でも、家庭菜園や観葉植物なら、私の家でも簡単に手配できそうだ。
地球の為に、小さな事から始めていきたいと思う。
この辺で、身のまわりの環境問題に目を向けてみよう。
私は自転車通学をしているが、その道に、たくさんのゴミが落ちている。
空き缶や、菓子の袋等が散乱しているのを見ると、無性に気分が悪くなる。
小さなゴミなのだから、少し位の手間は掛かっても、正しい方法で処理してほしいと思う。
あっても邪魔だから捨てるのに、これでは意味が無い。
周りの人の事も考えれば、私達の住む地域から、ゴミの不法投棄は無くなるはずだ。
世界規模で騒がれている環境問題だが、そもそも、その始まりは、私達人間だ。
文明によって発明されたモノは、私達にとっては便利品でも、自然にとっては害のあるモノなのだ。
人類の歴史は、地球が生きている時間と比べると、とてつもなく小さな『一瞬』でしかない。
これまでに地球が創り上げてきた、生命の歴史を、後から生まれた私達が、簡単に壊してしまって良いのだろうか。
けれど、本当に地球を大切にする為には、私達は今の便利な生活を捨てなければならないだろう。
そこまで覚悟は無いというのも、また事実だ。
過去が作り出した大きな穴は、今もまだ広がり続けている。
その広がりを食い止め、塞がなければ、私達の未来は危うさを増して行く。
穴の広がりを、ただ観ているだけでは駄目だ。
一人一人が、少しの知恵と勇気を出せば、まだ、間に合う。
〜2008年初夏〜