お題部屋
□誰か夢だと言ってくれ
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「よぉ、おはよう」
冗談交じりでシグバールが朝の挨拶をしてくると、デミックスもうっかりおはようのおはまで言ってしまう。
そこで我に返ったデミックスがぶんぶんと頭を横に振って横たわるシグバールに怒号を浴びせた。
「おはようじゃねぇ!!なんであんたと俺が一緒に寝てるんだ!何で繋がってんだよぉ!!」
デミックスの怒鳴りにひるむ事もなく頭を掻き、視線を上にそらしてデミックスに戻すと、シグバールが目を細める。
「お前…覚えてないのか?」
「何をだよ…」
どうしてこんなことになってしまったのか。
デミックスが全く覚えてない事にため息を吐いて、シグバールが起き上がろうとするが、繋がっているせいで起き上がることが出来ず、そのまま寝そべった状態でデミックスを見上げ、真実を教えてやる。
「お前が俺を誘ってきたからだろ」
「………は、はぁぁぁぁぁぁあああああ!!??」
シグバールがさらりと述べた一言に目を一瞬目を点にしてデミックスが叫ぶ。
その後にありえないとひたすた連呼している姿を見て、ああこりゃ本当に何も覚えてないんだなと納得する。
デミックスの首筋にある、三つほどの赤い華、それをつけたのは自分だが、つけてしまうように誘ってきたのはまぎれもない、デミックスだ。
こうなりゃとことん昨日のことを語ってやろうと決めたシグバールが口を開く。
「…昨日はお前が………」