お題部屋

□これは愛なの?
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=無視点= 

パァンッ!

「ぐぁっ!」

「リク…!」


ゼムナスとの最終決戦
ソラがリクと力をあわせてここまでゼムナスを追い詰めてきたが、最後の戦いに来て、何かの球体の中に、ソラが捕らえられてしまう
その球体から力を吸収してきながら、ゼムナスが不気味に笑う
どんどん力を吸収され弱っていくソラを助けようとリクがゼムナスに駆け寄るが、ゼムナスによって作り出されたもう一人のゼムナスのせいで、うまく近づくことが出来ない。

もう一体のゼムナスから受けた攻撃のせいで、大きくリクが吹き飛ばされる。
その姿に球体の中から弱った声音で呼びかけるソラは、かなり限界に近かった。
力をどんどんを吸収され、だんだんと意識が遠のいていていく。
その時だった
球体の外からだからか、くぐもった低い呟きがソラの耳に響く


「これで…光の勇者はもう、私のモノだな…」


ゼムナスの呟きの意味が、ソラには分からなかった

俺が、ゼムナスのモノ?
そんな馬鹿げた事あるもんか!

心の中ではそう思えても、それを表現できる力が、ソラには残っていなかった。
力を根こそぎ奪われたソラは限界を向かえ、ゆっくりと意識を朦朧とさせていく。
瞼が重くなり、意識が遠のいていく

見えなくなっていく親友の姿。
それに手を伸ばしたのも叶わず、ソラはゆっくりと意識を闇に落とした。
同時に球体が弾け、ソラが落ちていく。

それを瞬時に受け止めたのは、リクでなくゼムナスだった
意識の失った光の勇者を見つめて、不気味に唇に弧を描く。


シュッと、音を立ててもう一人のゼムナスが消えた。
自分の妨げる者が居なくなったリクはすぐさまソラを助けようと足を早めるが、意識を失ったソラを抱えるゼムナスの姿に、その足が止まる。


「ソラ!」


その声に答えるはずも無く、ソラがゼムナスの腕に抱かれる。
いわゆるお姫様抱っこという形でソラを抱えるゼムナスが、ゆっくりリクに振り返り、笑ったまま呟く


「光の勇者は頂いていく。さらばだ」


そう呟かれ目を見開くリクをよそに、シュっとゼムナスがソラを連れてその場から消えた。
残像も残さず去ってしまったゼムナスにハッと顔を上げて、リクが辺りを見回す
どこにも居なくなったソラの姿。
連れて行かれてしまった事に、リクが歯を噛み締める


「ソラ…!」


誰も居なくなった白い空間で、リクが無力にウェイトゥザドーンを握り締めた
 
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