よろず小説V
□彼女が彼にあげたもの
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まだ混乱してるのか放心状態のシンにルナマリアは不安が募る。彼に認めてもらえないなら一人ででもと、一応覚悟は決めてたけどやっぱり喜んで認めてもらいたい。彼と共に子を育てたい。
「……っ何か答えてよ……」
もう少し強気で言うつもりだったのに、不安が表に出てしまったのか声が震えてしまう。
「ルナ……」
「え……」
痛い位の強さで抱きしめられた。この反応は期待してもいいのだろうか。
「……ありがとう。」
「っ……」
泣き笑いしながらお礼を言う彼にもらい泣きしたのか涙が溢れてきた。それとも認めてもらえたので嬉しくて溢れてきた涙か。
「生まれてくる子がもし彼女じゃなくても、ルナとの子だからオレは嬉しい。」
「シン……」
たとえ彼女じゃなくても子を認めてもらえる。私との子だからと言ってくれる。彼の愛情を確かに感じられた。
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