よろず小説V
□彼女が彼にあげたもの
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「また会える、ねぇ……」
「なあ、ルナならこれがどういう意味かわかる?オレにはさっぱり見当がつかないんだけど。」
「私だってわからないわよ。でも、思い当たる節ならあるかもしれないわ。」
やっぱり彼女は頼りになる存在だ。オレが導き出せない答えを導き出す。
「一応恋敵だった彼女が私達の子供として生まれてくるのはちょっと複雑よ。」
まあ、勿論可愛がるけど。とルナマリアは自分のお腹を愛しそうに撫でる。
「え?私達の子供って?」
「もう!鈍いんだから!!普通ならわかるでしょ!?」
だから、もう少ししたら私達の子供が生まれるのよ。とルナマリアに言われシンはようやく理解する。
「マジかよ……」
「アンタに反対されたって一人でも私は生むわよ。」
まだ戸惑いを隠せないでいるシンにルナマリアはそう言い切る。まだまだ未熟なシンにすぐに父親の自覚や子供を持つ覚悟を要求するのは無理な話だ。自分自身だって最初は戸惑った。でも母親になる自覚や覚悟はもう出来ている。彼にも少しずつでいいからそういう自覚や覚悟は持って欲しいと願うのは果たして我が儘だろうか。
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