よろず小説V
□彼女が彼にあげたもの
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「―――シン!!」
「え?」
目を開けたら、オレを心配そうに見つめるルナが居た。さっき会ったステラはやっぱり夢の中でだっだんだと現実に引き戻される。
「え?じゃないわよ。アンタが泣いてたから何事かと思って心配したのに……」
「……ゴメン。」
頬を伝う一滴の涙が見え、泣いてた事を自覚した。
「別に謝る必要ないけど、悪い夢でも見たの?泣いちゃう位の」
「いや、悪い夢じゃないよ。むしろいい夢だった。」
「なら何で泣くのよ?」
辛くないなら泣く必要ないじゃないとルナは言う。涙は悲しい時ばかり流す訳ではない。嬉しい時にも流すものだと説明したら、じゃあ夢で嬉しい事でもあったの?と聞かれた。ステラの事を話すかどうか一瞬迷ったけど、彼女とは何でも共有したいから包み隠さず話した。
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