よろず小説V
□君の笑顔が見たい
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「「「「マリナ様、お誕生日おめでとうー!!!」」」」
子供達がクラッカーを鳴らし、次々とマリナにお祝いの言葉を述べていく。
「皆、ありがとう。本当に嬉しいわ。」
マリナは嬉しくて涙が出そうだった。
「マリナ、おめでとう。」
「ありがとう。シーリン。」
シーリンに抱き着くマリナ。大切な人達からこんなに祝ってもらえる自分は、本当に幸せ者である。
マリナの誕生日パーティーは盛大に行われる。だけど、彼女自身はどこか物足りなさを感じていた。
……せっかくの誕生日なのに、彼が居ないのが寂しさの原因かしら……?
そんなつもりはなかったけれど、自分は彼に随分執着してるらしい。
……貴方に少しでも会えたら、私はとても幸せになれるのに……
彼が居るであろう空を見上げる。いつか会えるよう心の中で祈る。
「―マリナ、誕生日おめでとう。」
「え、刹那……?」
閉じてた目を開いたら、目の前に彼が居る。あまりに驚いて少し後退りする。
「マリナの誕生日だから会いに来た。」
「相変わらず優しいのね。貴方は……」
彼に会えただけで、沈んでた気分が浮上した。
「忙しい中、会いに来てくれて本当にありがとう。」
「どういたしまして。オレの時も期待してるから。」
私のために彼がここまでしてくれたのだから、彼のために私も何かしてあげたい。
「楽しみにしててね。刹那」
「ああ。」
刹那とマリナは抱きしめ合い、自然と笑顔になる。
君の笑顔が見れて良かった……
【終】