よろず小説V

□僕は真実の君を愛してる。
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僕は真実の君を知ってるよ。だから安心して真実の君を見せて?




「ラクス様は今お忙しいんだ。貴方に会ってる暇などない。」


「え、でも僕はそのラクスに呼ばれて来たんだけど?」



ラクスの居る部屋に入ろうとしたら、扉の前に居た護衛にキラは引き留められた。




「たとえラクス様が貴方を呼ぼうと、ボクがここを通しはしない。」


あくまでもここから通す気はないらしい。彼がラクスを大事にしてるのはわかってるが困ったものだ。




「あまり貴方を困らせたくないんですが、本当に通らせてもらえませんか?」


「絶対に駄目です。貴方は金輪際ラクス様に近づかないでください。貴方の存在は彼女に悪影響だ。」



こちらが穏便に済ませようとしてるのに、喧嘩腰で対応してくる護衛にさすがのキラもカチンとくるものがある。




「悪影響ってどんな風にですか?」


「貴方と居たらラクス様は気高く居られなくなってしまう。気高いラクス様こそ真実の彼女なんだ。」



どうして皆は彼女に理想を押し付けるのか。気高くなくたって彼女は彼女なのに。




「貴方は何にもわかってませんね。彼女の事を。」


「な……」



急に雰囲気をガラッと変えたキラにラクスの護衛は思わず怯む。先程までの穏やかな感じから売って変わって穏やかではない感じだ。



「キラ……」


「ラクス、どうしたの?」


待ちくたびれたのか、ラクスが逆にキラを迎えに来た。護衛の青年はまだ何かを言いたそうだったが、キラとラクスの間にある自分には入っていけない空気を感じ今は退いた。だが、さっきの意見を変える気は更々ない。





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