Novel
□蓋を開ければ百合二つ
1ページ/6ページ
「‥合様、百合様」
侍女に起こされ目が覚める。
「ん‥、今何時‥?」
「もうお昼ですよ」
「‥‥‥‥。‥お昼っ?!」
「え、えぇ」
最悪だ。大寝坊だ。
起き上がったと同時に稽古着に着替える。
今日も父である先夜から剣術の稽古。
時間にうるさいので少し気落ちしながらも急いで支度を済ませる。
「どいてーっ!!!」
叫び声とともに走る。
「百合様はまたお寝坊ですか」
くすくすと侍女たちが笑いその横を通り過ぎて着いた稽古場。
‥間に合ったか?
「父上、あの‥」
「ギリギリだな。寝坊か」
ばれた。と内心冷や汗をかきつつ略式で礼をとる。
そして稽古が始まった。
.