Novel

□蓋を開ければ百合二つ
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「‥合様、百合様」





侍女に起こされ目が覚める。





「ん‥、今何時‥?」


「もうお昼ですよ」


「‥‥‥‥。‥お昼っ?!」


「え、えぇ」





最悪だ。大寝坊だ。


起き上がったと同時に稽古着に着替える。


今日も父である先夜から剣術の稽古。

時間にうるさいので少し気落ちしながらも急いで支度を済ませる。





「どいてーっ!!!」





叫び声とともに走る。





「百合様はまたお寝坊ですか」


くすくすと侍女たちが笑いその横を通り過ぎて着いた稽古場。
‥間に合ったか?





「父上、あの‥」


「ギリギリだな。寝坊か」





ばれた。と内心冷や汗をかきつつ略式で礼をとる。



そして稽古が始まった。





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